自筆遺言なら、簡単だし、無料だし、気軽だし・・・大間違いです。
何故いけないか?
最初に、大事なことをまとめていいます。
書くのは簡単でも、相続後が非常に面倒、時間や手間、費用がかかり、家族や親族間にトラブルや気まずい人間関係が生まれがち。
結局、「自筆遺言など、なかったほうが良かった」ということが少なくない。
もう少し、かみ砕けば・・
家庭裁判所で「検認」手続きをしないと、遺言が使えない。
結局、遺言が使えない可能性も少なくない。
家族や親族間で、逆にトラブルを引き起こす可能性が少なくない。
遠方の相続人にも、連絡が行く。(戸籍集めが大変)
紛失する。肝心な時に出てこない。などです。
これでもまだ、自筆遺言を書きますか?
もう少し詳しくは、以下に書きました。
考えてみてください。
遺言を書くのは、高齢者。
もし、高齢でなくても、頭がしっかりして、元気でも、初めて書くはずです。
明快で、矛盾や後日のトラブルにならない文章を、問題なく書けるはずがありません。
慎重な人は、本など参考に見てから、書くかもしれません。
それでも、必ずと言って良いくらい問題が発生すると思います。
(本を読んだくらいでは、問題発生をなくせないです)
本に書いてある意味を、読んだだけでは、しっかり理解できていません。
もし、完璧に書いたとしても、自筆遺言の仕組み自体に、問題を引き起こす原因があります。
亡くなったら、遺言に基づき、財産分けをしようと考えます。
しかし、自筆の場合は、検認が必要になります。(遺言保管制度利用は、別)
これは、家庭裁判所の「証拠保全の手続き」です。
ここで、1~2か月の期間が必要です。
その前に、手続きのための戸籍などの書類も、集めなければなりません。
相続人すべての戸籍を集めることは、非常に大変です。(生まれてから亡くなるまでの戸籍)
役所に行っても、集められる戸籍の範囲には限界があります。
全部集められません。
この間、相続手続きが出来ません。
さらに、遠方も含めて、相続人が、裁判所に出向かなければなりません。
ここで、遺言の内容が、必要のない人にも知れてしまいます。
時間が掛かる上、余計な事情が知られたり、感情が生まれたり、トラブルにもなります。
もし、遺言が無効では?怪しい?認知症だったのでは?と思われれば・・
裁判所で、「有効、無効の争い」が始まります。
もし、争わなくても、やっと「検認」が終わったと思ったら、銀行や登記所で「この遺言では、使えません」と言われる可能性もあります。
下手に自筆で書いたために、大変な労力、手間、費用を相続人に掛けてしまいます。
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公正証書遺言は、以下のような特徴があります。
面倒で手間が掛かる分、逆に信用度、確実性が上がります。
公正証書遺言には、下記のような沢山のメリットがあります。
よって、自筆遺言は避けるべきです。
公正証書にしても、まだまだ問題がある。
公正証書にしたら、これですべて問題なし・・
そんなことはありません。
遺留分、不動産の分け方、相続税、人間心理、遺言執行者、保険、遺言が無視される、書き漏らしなど
数々の問題が残っています。
公正証書にすることでなくなる問題とは、「文章の書き方や形や仕組みの問題」が多いです。
「書いてあること、内容」から発生するトラブルは、残ります。
以下のような問題は、公正証書にしても、問題が残ります。
文章にどれだけ配慮するかによって、人間心理や現実面のことでトラブルになります。
毎日忙しい場所なので、「そこまで公正証書では、面倒見ません」ということです。
公正証書は、あくまで形式や外形、保存、文章の書き方などが改善されます。
しかし、書いてある内容そのものが、トラブルになるか?どうかは全くわかりません。
例えば、遺留分を侵しても、遺言は書けますが、後日しばしばトラブルになります。
これらの点は、自分で考えないといけないのです。
遺言の専門家の存在は、そこに意味があるのです。
遺言で親が推定相続人の子に対して、公正証書でもよくあるパターンとしては「〇〇の財産を、子供〇〇に相続させる」とか書きます。
しかし、相続が発生する前に、その推定相続人の子が先に亡くなった場合どうなるのか?
ある程度知った人であれば、親より子が先に亡くなったのであれば、「代襲相続」なので孫が相続するだろうというはずです。
しかし、そうでもないのです。
最高裁の2011年2月22日判決では、この理屈は否定されています。
簡単に言えば、「子供のいろいろな周辺状況を考えて、子供に「相続させる」遺言を書いたわけなので、それが子供が先になくなったからといって、すぐ代襲相続により孫が相続するというのは、周辺状況が子供と孫とは違うので、すぐ代襲相続ではおかしいのではないか?孫にまで相続させることを、遺言者の親が考えたわけではない」ということです。
確かにそれはあるでしょうね。
このように、遺言の文章は、考えて勉強して書かないと、思う結果にはならないのです。
高齢者が非常に増えている時代です。
子供が70歳で、親が90歳代もあるので、子供が先は、かなりあり得るケースなのです。
遺留分とは、相続人の最低のもらい分。
多くの場合は、ザックリ言えば、法定相続分の半分です。
これを侵すと、遺言でなんと書こうが、返さなければならないことになります。
しかし、ここに生前の贈与や債務があれば、遺留分が違ってきます。
遺留分も、遺産が預金だけなら、まだ良いかもしれない。
しかし、不動産があった場合には、かなりやっかいなことになります。
そもそも、多くの遺言は、「遺留分」というものを、全く考えていません。
その状態で、公正証書にしても、あとで遺留分を巡って争いになる可能性があります。
これは、遺留分は、かなり多くの遺言が引っかかる可能性があります。
遺留分を侵している公正証書遺言が、たくさんあると言われています。
相続後に「遺留分を返せ」「相続分が少ない」という問題は、非常によく起こります。
遺留分を侵害しており、それを請求された場合に、遺留分を支払わなければなりません。
また、今回の相続法改正において、遺留分は、金銭で支払うことになりました。
例えば、不動産を相続して、手持ちの現金がほとんどない状態で、遺留分を請求された場合、どうやって払うのでしょうか?
不動産を売れば良いかもしれませんが、簡単に売れない不動産は沢山あります。
そういう「現実的な面」を考えないで、遺言書だけ書いても、絵にかいた餅になります。
相続と不動産の問題とは?
例えば、遺産に不動産の自宅と若干のお金しかない場合(子供2名が相続人)
公平に、「兄に2分の1、弟に2分の1」というような遺言を書いたとします。
これで、とりあえずの遺言の手続きは、できます。(持ち分で分ける)
しかし、これは「一時しのぎ」です(不動産が、最悪の共有になります)
あとで、不動産の管理や売る場合に、2人の意見が一致するとは限りません。
後でもめ事が発生します。
公平に、仲良くわけるように・・そう思う親は多いです。
しかし、書くことは簡単ですが、できるように、事前の対策や遺言の内容の検討が必要です。
不動産の共有の解消とは?
付言事項という遺言内容とは別に、文章を書く部分があります。
これは、書かなくても遺言としては成立します。
しかし、付言事項を書くかどうか、何を書くかが非常に重要です。
遺言の中での重要度は、感覚的に40%くらいはあります。
多くの人が、財産の分け方ばかりを気にします。
逆に、分け方が自分に気に入れば、それでいいと思っています。
しかし、人間は、感情があります。
例えば、不平等に分けられたとして、あなたは納得しますか?
逆に、いろいろな負担、過去のことで、公平は、むしろ不公平ということもあります。
平等に分ければそれでいいとか、分かってくれるとかいうことは、ありません。
そのための付言事項を書くのは、必須です。
(書いてないのは、遺言ではないと言ってもいいくらいです)
そして、その文章内容も、よく考えないといけません。
自宅や、よく使う預金通帳などは、書き漏らしはないでしょう。
しかし、書き漏らしは、かなり発生する可能性があります。
土地の持ち分の大きなところは書いても、小さな持ち分を書かないことが起こります。
定期預金にして、ずっと忘れている預金もあります。
また、「こんなものまで?」と「つい、忘れていた」という財産があります。
忘れていたものが、遺産分けの時に、ひょっこり問題になります。
書いてなければ、遺産分割協議をしなければなりません。
結局、相続人が全員話をすることになります。
何が書くべき遺産か、何を調査する?忘れがちなものは?何が問題か?
こういう感覚を持っていないと、書き漏らしが出てきます。
2000万円の通帳の預金を、書き忘れそうになっていた事例があります。
本当に注意しなければなりません。
私は体験していませんが、聞く話として、公証人や公証役場が問題だという専門家もいます。
遺言を書く人の話を、よく聞かない。
書いてあげるという、「上から目線」である。
面倒な仕事を断ったり、親切ではない人がいる。
公証役場の部屋が、仕切りが不十分で、周囲に話が筒抜けになりがち。
このような話を、しばしば聞きます。
裁判官をリタイヤされたような方が公証人なので、「一般社会人の感覚ではない」と思うほうが良いようです。
このような状態では、良い遺言ができるとは思えません。
良い人も多いのでしょうが、当たり外れがある、選ぶ必要があることは、事実のようです。
公証役場に任せ切りにせず、自分の方で遺言の文章案を十分練っておかないと、後で被害を被るのは自分、相続人になります。
遺言執行者とは、相続人に代わって、遺産の分割、手続きなどの実行をします。
決まっていると、非常に相続の手続きなどが、簡単に進みます。
例えば、銀行の手続き、登記の手続きなども、執行人の印鑑でできます。
他の相続人から、たくさんの書類に印鑑などを求めることは、非常に大変です。
相続人以外の人が、贈与として遺言に出てくるかもしれません。
税金や不動産の問題についても、手早く片付けます。
当然ながら、遺言執行者は、手続きや法律、税金を知った人でないと、上手く行きません。
信託銀行では、「遺言信託」を勧めています。
遺言作成と、遺言執行がセットになった商品です。
しかし、これは他や内容と比べて、費用が異常に高すぎます。(最低150万円~)
通常他では、その半額以下で済むことが多いでしょう。
遺言信託でも、形は公正証書遺言になります。
しかし、やはり銀行なので、文章内容は、あまり深く考えないです。
基本、遺言の趣旨より、財産を預けてもらうことが主な目的になので、お勧めしません。
遺言信託の幻想と勘違いとは?
遺言書と家族信託は、どちらか1つを選ぶというわけではありません。
「家族信託を行いながら、遺言書も書く」ということも、よくあります。
家族信託であれば、信託に入れた財産だけが、財産管理の対象になります。
主だった財産を家族信託にしても、それ以外の財産があります。
例えば、定期預金や不動産は、信託にしました。
一方、日常の普通預金口座では年金が入り、公共料金の支払いがありします。
こちらは、信託に入れていないので、遺言で分けることになります。
このように、家族信託とそれ以外の財産の遺言が2本立てになりがちです。
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※面談などで出られない場合、後で折り返し掛けます。
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